2018.2.25~3.6 at aiiima shibuya hikarie 8/
photo by aya kawachi
青と赤の組み合わせには、中立的な態度を感じる。
記号やロゴマーク、国旗、カスタネットなどの物にいたるまで、身の回りに溢れながらも、その都度意味を変えていく、対義語のようだ。
私は、平面と立体の間や意味と無意味の間を探る作品を制作してきた。
今回は、木パネルの特徴を扱い、平面に層を見い出すことで奥行きがでないか、とか、図形の補完性を扱い、パネルが一要素となって奥行きを感じることはできないかなどを試みている。対比がわかりやすく、意味に縛られない色として青と赤の組み合わせを用いたが、このバリエーションが幾つか集まると、無視できない印象となってたちあがってきた。

円と奥行き

二つの円とそれをつなぐ直線で構成された図形。塗る箇所が異なると向きや奥行きなどの情報が変容すると思った。

木 アクリルガッシュ

カスタネット 

カスタネットは木でできているから、木のパネルを一方にして、木と木の接触という要素を強調している。丸ゴムでつなぐことが、カスタネット的な雰囲気を担っているように思う

木 ゴム アクリル

色鉛筆

二色鉛筆は、ズボラ的アイデアの定番化という佇まいでとても信頼がおけると思っている。

3つのパーツに分けたのは、長さを変えられること、楕円を斜めに配置したのは、コロコロと転がっていくように見えないかと思ったからだ。

木 アクリルガッシュ

方位磁石

この壁の方角である。赤が指すほうが北である。その場所だけの方角であれば回転する必要はない。案内看板と機能は同じであるが、必要せにおある場所に設置されていないことがこの物としての存在が見えるように思う。

木 アクリルガッシュ

エアメール

アクリルの丸棒へ螺旋状にペイントすると屈折の関係で、螺旋が歪む効果を扱えないかと考えた。航空郵便として扱われるマークとしての赤と青の縞と結びつけた。空気(エアー)が囲われている…。

アクリル アクリルガッシュ

輪郭と面

心理学者のカニッツァが発見した、主観的輪郭のことを考えながら、ネッカーの四角形のことも考え、物の表面の区別などを意識した。

木 アクリルガッシュ

丸と三角と四角のパターン

面でつながっている丸の図形、円で結びついた線で構成される三角形と四角形、面での塗り分けをある意味強制的に塗りつぶすことで、立体的に見えることを難しくしながらも奥行きを感じるかと考えながら塗った。

木 アクリルガッシュ

重なりと連続性(三角形の構成)

塗られていない三角形と、塗られている丸と四角で構成している。

三角形の頂点が繋がると、別の四角形が現れる。

木 アクリルガッシュ

重なりと連続性(三角形の構成・ワイヤーバージョン)

1.の作品の線での構成。金属のワイヤーを選ぶのは、線といいつつ立体であり、それで構成することが平面と立体の差を曖昧にさせると考えているからである。

真鍮

床屋のポール

回りながら登っていくように見える床屋のポール、軸を透明にすると向こう側が見え、ぐるりと線をまとっているのがわかる。物としての存在が、トロフィーのようだと思っているが、なんの賞をたたえるかはまだ考え中。

アクリル アクリルガッシュ

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